2020年11月20日金曜日

2020年度 後期研修奮闘記 Vol. 8:中野惠輔先生

 内分泌・代謝内科入局1年目の中野惠輔と申します。群馬県出身の群馬大学卒業生ですが、様々なご縁もあり新潟県で初期研修をさせていただき、現在長岡中央綜合病院で後期研修をさせていただいております。

 当院の糖尿病・内分泌科では常勤医3名が在籍しております。当院は患者数が多く、病棟、外来業務、新患外来、甲状腺細胞診の症例が非常に豊富です。私自身知識も経験も未熟なこともあり、上級医の方々には大変ご迷惑をおかけしておりますが、大変熱心なご指導をしていただき、日々成長を感じております。先生方に少しでも近づけるよう、日々精進したいと思います。

 コロナ禍の現在、よく重なる小説にアルベールカミュの「ペスト」があります。カミュは20世紀を代表する文学者であり、ペストはカミュ自身が体験した第二次世界大戦をペストが蔓延する街に置き換え、人間が大きな不条理に対してどのように立ち向かえるかを説いた小説とされております。2018年にNHKの「100分de名著」に取り上げられており、中条省平さんの解説に感動した記憶があります。今年に入ってリバイバル放送されており、NHKオンデマンドで全話400円で視聴できますので、興味があれば是非視聴してみてください。

 カミュはペストの中で「不条理と戦うただ一つの方法は、誠実さだ」と語っています。ここで言う誠実さは「暗い夜の中で目を凝らすこと」、今自分に何ができるかを見極め、行動することを説いています。大きな不条理に立ち向かうには高邁な理念やヒロイズムのような行動ではなく、小さな自分にできること、ささやかな仕事で役に立つこと。それらが連帯を生み、不条理に立ち向かう力となるという言葉は、コロナウイルスが蔓延する2020年の現在にこそ、大きな教訓となるのではないでしょうか。

 11月14日は世界糖尿病デーでした。糖尿病もまた、カミュのペストと同様に自分の人生への疑念を生じさせるものとなりえます。患者さんは疾患そのものだけではなく、時としていわれのない差別や社会的不利益をも背負う状況があります。そういった患者さんの苦しみに私たちがどのように向き合うか、不条理に対してどのように立ち向かうか、日々悩みながら診療をしていきたいと考えております。

世界糖尿病デーにおける長岡中央綜合病院のライトアップです。


2023年度 後期研修奮闘記 Vol. 12:徳永帆南先生

 内分泌代謝内科後期研修 1 年目の徳永帆南と申します。現在、初期研修から継続して済生会新潟病院で勤務しております。初期研修から変わらずやりやすい環境ではありましたが、外来や当直など慣れないことが多く日々先生方やスタッフの方に助けていただきつつ未熟さを痛感した 1 年でした。  ...