2022年3月16日水曜日

2021年度 後期研修奮闘記 Vol. 16:滝澤大輝先生

 新潟大学医歯学総合病院での勤務となっております、滝澤大輝です。今回は、新内科専門医の制度について、簡単に説明させてもらおうと思います。(私自身は、現時点でこの制度の2期生で、専攻医としては3年目に相当します。1学年上の先生方が1期生となりますので、私たちはその情報を参考にしつつも、配属される各病院の各診療科では初の専攻医となることが多く、都度手探りで進めてきた感じはあります。)

 2018年度に新制度が開始されています。修了要件として、160症例以上の「症例登録」と、29症例の「病歴要約」の承認を求められます。症例登録し承認されたもののうち、病歴要約に適した症例を選択して、病歴要約を記載することとなります。症例登録も病歴要約も、内科の各分野で偏りなく経験することが求められ、「疾患群」と疾患群ごとの提出数が設定されています。なお、初期研修症例も条件を満たせば修了要件の半数以内で使用可能です。

 症例登録はIDやプロブレムを列記して概略(500字以内)と自己省察(300字以内)を記載します。病歴要約は、A4用紙 2枚の分量で、症例の経過から考察まで含めた記載をします(サマリーのようなイメージです)。文献的に検討したことを示すために引用文献の記載も必要となります。

 J-OSLERというシステム(正式には専攻医登録評価システムというそうです)を利用して登録し評価を受けるということを、3年間を通して行います。修了要件には、他に学会発表・参加やJMECC受講などが必要です。これらの修了要件を満たせば4年目の春に筆記試験が行われます。

 初期研修医で内科専門医をこれから目指す方でも、今のうちに準備できることもあります。例えば、初期研修のうちに様々な疾患群を経験できるように広く内科系診療科をローテートする、IDなどを控えておくといったことができます。また、初期研修中のJMECC受講もカウントできるので、受講しておくのも手です。JMECCはトータル8時間くらいかかるので丸一日がかりです。比較的時間に余裕のある初期研修のうちに、内容的に可能なら初期研修2年目に、受けておくことをお勧めします。

 専攻医1年目の方は、早いうちに症例登録数例と病歴要約作成(完成・提出しなくても)まで、一通りやってみることをお勧めします。そうすると、所要時間の目途が立ちますし、システムについても理解できると思います。計画も立てやすくなるのではないでしょうか。専攻医23年目の方は、ひたすら症例登録と病歴要約を頑張りましょう。専攻医期間を通じての注意点としては、半期に1回、自己評価などがありますので忘れずに行うこと、施設異動があるとカルテへのアクセスがしづらくなるので早めに症例登録と病歴要約を記載しておくこと、でしょうか。

 内科専門医制度について、よく分からないという方にとって少しでも参考になれば幸いです。
(なお、20223月時点の情報ですので、最新の内容や詳細については日本内科学会ホームページを参照ください。)

2023年度 後期研修奮闘記 Vol. 12:徳永帆南先生

 内分泌代謝内科後期研修 1 年目の徳永帆南と申します。現在、初期研修から継続して済生会新潟病院で勤務しております。初期研修から変わらずやりやすい環境ではありましたが、外来や当直など慣れないことが多く日々先生方やスタッフの方に助けていただきつつ未熟さを痛感した 1 年でした。  ...